私立医学部受験のおはなし

私立医学部受験のホントのところ

センターで8割安定して取れる能力があれば旧帝も早慶も受かる

本日のタイトル:センターで8割安定して取れる能力があれば旧帝も早慶も受かるですが、今日とあるブログでこのままの内容を見つけたので記事にしてみました。賢明な読者の方であれば騙されないと思いますが、旧帝?早慶?受かりません。センター8割では無理です。旧帝は2次の出来もあるので何ともですが、早慶はセンター8割くらいの力では受からないでしょうね。特に英語は厳しいんじゃないかな?そもそも早慶の対策はセンター対策とはまったく違うので。まあ、そのブログはよく見るとリンク先で勉強法のプレゼントとか言ってるので、メールアドレス集めて、アフィリエイトでもするんでしょう。うかつにメールアドレス登録しないように気を付けてくださいね。ああ、ただセンター対策をしっかりやってやっと8割の生徒は厳しいと思いますが、早慶対策ばっかりやっててセンター7割くらいしか取れない生徒の場合は早慶も受かる可能性はあります。それはまた機会があれば。

だから君は落ちる。

予備校のテキストを一生懸命やれば受かる!予備校の言う通りやれば受かる!そう思っているならすぐに考えを改めましょう。その考えだと落ちます。それはなぜか?予備校は教科書レベルの内容はすでに理解しているというのが前提としてあります。そのため、予備校のテキストというのは基本レベルの問題にはあまり力を入れていません。前述したように出来ていて当たり前だからです。しかし、まさにここが肝でテキストに出ていないので、自分が「その問題を出来ない事に気付く」機会がありません。当然、気付かないので抜け落ちたまま放置されます。よって予備校を有効に活用するためには予備校ではあまりやらない基礎的部分を自分で咀嚼し、理解しておく必要があります。しかし、これが出来ないからみな医学部受験に失敗するのです。自分の出来ていない基礎をどうやって見つけるか?さらに医学部受験は他学部に比べ全範囲を網羅するため範囲が膨大です。その広い範囲で抜けている基礎を自分で潰しておかないと、予備校で「わかったつもりになって」帰ってくる事になります。予備校は正しく活用すれば情報交換の場として、またライバルと切磋琢磨する場として、あるいは友人との息抜きの場としても有効です。しかし、正しく活用するためには勉強を予備校任せにしない事が大切です。

私は家庭教師として指導を行っている立場なんですけれども、いわゆるセンターさんがどういう形で生徒をあつめているのかに興味があってサイトをのぞいたりするわけです。そうすると、プロ講師が苦手教科を得意教科に!とか、プロ家庭教師が~大学医学部に合格させます!とかまあ、威勢の良いうたい文句が目に留まるわけです。しかし、私たち家庭教師も魔法を使えるわけではないので苦手教科を得意にしたりとか、相手の状況も見ずに医学部に合格させますよ~とかは言えないわけですよ。まあ、追い詰められてあまり軽率に調子のよい文句に乗せられない事です。とくにどこにでも広告が出てくるようなところはそれだけ広告費を使ってるわけで、その広告費のもとは何かって話ですから。ただし、①しかるべき期間をいただいて②志望校が明確であり③生徒本人にやる気があれば成績を上げる事は出来ますけどね。というわけで今回のテーマはダメ家庭教師の特徴です。まず①教材販売。必要ないでしょう。教材なんて。生徒が使ってるもので教えられるし、足りなければ自分でプリント作ります。そのあたりはプロなので職業ですから。何十万もかかる教材を買ってしまった生徒を指導したことありますが、教材にムダ金使うなら、医学部入学にむけて貯金に回してください。②年間契約。必要ないでしょう。これも。自分の指導力に自信があれば続けてもらえるわけだし。やめたがってるご家庭に行きつづけるのもつらいですし。年間契約は巧妙にかくしてるところもあるみたいだし怖いですね気をつけましょう。③~式とか~法とかの方法論。そういう方法論通りに出来る生徒なら、そもそも成績が伸び悩みません。レールに乗れない原因があるから低迷するのであって、十把一絡げな方法で伸びるなら、みんな合格するでしょう。まあ、うまくはまって伸びる子がいないわけではないでしょうけど。

医学部受験は合格に持っていくコツがあります。ありますけどそのコツを使うレベルまでまず生徒を引き上げなきゃいけません。そのためには日頃の勉強法の見直しから、苦手分野のあぶり出し、順序立てた苦手の補強など一朝一夕ではできません。どうしても時間がかかります。数年放置して積み重なった苦手を1,2か月で何とかできるとホントに思っているならしっかりした家庭教師は受けません。無理だから。プロですからそれなりのお金もらって「出来ませんでした」っていうのはお互い辛いですし。だから最初から受けません。逆にちゃんと勉強の大変さがわかっていてある程度の期間を与えていただけるご家庭の場合は真摯に取り組ませていただいてます。まあ、1,2か月で偏差値50の子を医学部にっていうのはセンターさんなら出来るかもしれないのでそちらにおまかせします(笑)。

私立医学部の奨学金

医学部の学費

国公立の医学部であれば学費は6年間トータルで350万円程です。
一般学部とそれほど変わらない金額なので可能であれば国公立の医学部に通いたいところです。
ところが国公立の医学部は科目数も多く、勉強面での負担が大きく大変な激戦区。
勉強のスタートが遅い、または伸び悩んでいる生徒は必然的に私立医学部を目指すことになります。

私立医学部の学費

他学部とそれほど学費の変わらない国公立医学部に対し、私立の医学部は6年間で2000~5000万円の学費がかかります。
学費には大きな幅がありますが、一般に偏差値の高い私立医学部ほど学費が安く設定されています。
最近では順天堂大学医学部や東海大学の医学部が学費を下げていますが、学費を下げることにより経済面で厳しかった優秀な生徒が集まりやすくなり、偏差値も上がる傾向になります。
この傾向は今後もしばらく続くと思われます。

医学部学費ランキングに関する記事

医学部学費に関する注意点

公式に発表されている学費以外に半ば強制の寄付金や学債、合宿費用などで当たり前のように100万円単位の費用がかかる場合もあります。
また、初年度に1000万円以上の納付を必要とする学校もありますのでリサーチは念入りにしておかないと合格したのにお金の工面が出来ないケースもありますので要注意です。

お金の工面

産業医科大や自治医大のように大学側が指定する道を歩むことで大幅に学費を抑えることも出来ます。
指定の病院で一定期間就業することを条件に学費全額免除となる地方自治体や病院独自の奨学金も存在します。
また、奨学金を利用することで学費の支払いはかなり楽になります。
ただし、奨学金には厳しい一面もありますのでご参考までに。

家庭教師の医学部受験ブログ:知っておきたい奨学金のこと

医学部の学費、とくに私立医学部の学費は高額です。
学費を下げる学校も増えており、その流れはまだまだ続くと思いますが一般家庭には簡単に用意できる金額ではありません。
奨学金は上手に利用すれば本当にありがたいものですが、半端な気持ちで手を出すと将来に大きな負担となる事も忘れてはいけません。

模試C判定以下

受験に向けて模試を受けると合格判定が返ってきます。A、B判定であれば現状のペースで勉強を進めればいいという事ですので自信を持って勉強を進めましょう。ただし、模試の判定は所詮模試の判定です。合格とは全くの別物ですので、「自分の勉強の進め方は間違っていなかった」くらいの認識にとどめて受験まで邁進しましょう。C~E判定の場合は危機感を「今すぐに」持ちましょう。A、B判定の場合で述べた裏返しでC判定以下だからと言って受験の不合格が決まったわけではないので落ち込む必要はまったくありません。しかし、現状の自分の学力がまったく足りないというのは事実です。C判定であればABCDEの真ん中ですが、真ん中では受かりません。そして、模試でC判定ということはまだまだ受験レベルの知識がついていない証左でもあります。C判定以下の場合は自分で思っているほど基礎力がついていません。相当に穴があると認識を持ちましょう。基礎力に穴があるわけですから、今使っている問題集の既読分野を復習する事をお勧めします。既読分野ですから「もう終わったもの」と放置する生徒は多いのですが、だからダメなのです。まず間違いなく出来ないところが相当数残っているはずです。今までの記事でも繰り返し伝えていますが、問題を見ただけで反射的に手が動くくらいまで出来て初めて、その知識が受験で使い物になったという事になります。ですから何度でも何度でも繰り返し復習しましょう。実際に点が取れていないというのは標準程度の問題さえ理解できていないのだという事に他なりません。ただし、危機感を持つ必要はありますが、焦る必要はありません。危機感を持って淡々と自分のやるべき基礎を勉強する事。これが何よりも大事です。問題集を過去にさかのぼってやり直すというのは、自分の勉強が遅れているようで心配になるものです。しかし、受験は勉強の進みを競うものではなく、当日何点取れるかの勝負です。そのためには土台となる基礎分野が出来ていなくては話になりません。基礎が出来ていないから強固な家が建たない。レンガが積み重ならないのが模試で点数が取れない理由です。抜けている基礎を固める事で、今まで理解の足りなかった部分の理解力も高まります。できれば時間に余裕のある高2までに、最悪でも高3の夏までには基礎固めが終わるよう勉強を進めていきましょう。

受験勉強について

医学部に限らず受験に合格するという事は受験本番で合格点を取るという事です。当たり前ですね。そして、合格点を取るためには勉強する事が必要です。ただし、範囲の広い試験の場合、やみくもに勉強しても非効率ですし、なにより時間が足りません。では、どうしたらよいか?過去問などから志望校の出題傾向を探り、出る分野出ない分野を絞り込み取捨選択するのが最良の手段です。ところが範囲の広い医学部受験の場合、この手はあまりうまくありません。しかし、学校ごとの出題形式は明確な特徴が出るので出題形式に沿った勉強は出来ます。例えばマークシート式の数学であれば、誘導形式の問題に慣れておく必要がある、順天堂医学部はかならず公式を証明させる問題が出る、聖マリアンナの理科は論述形式なので論述に慣れておかなければならないなどです。まずは、そうした出題形式に合わせた問題に力をいれて勉強を進めましょう。そして、その時に解く問題は基礎~標準レベルの問題集で充分です。まずは基礎~標準レベルの問題集で自分に足りないところをあぶりだします。そして出来ていないところは手を動かして解きなおす事。これは必ずです。必ず手を動かして解いてください。成績の伸び悩む生徒でよく見られることが解答を読んで「わかったつもりになっている」パターンです。わかったつもりと実際に解答用紙に正確にかけることは全くの別物です。わからない問題は頭の中で理解したつもりになっても意外なほど理解できていないものです。数学の証明問題の解答を読んで、解答を閉じてしっかり書けるか試してみると意外とかけません。そのことに気づかずわかった気になって先へ進んでしまうから、成績が上がらないのです。出来ないところは解答を閉じても同じ解答をかけるようになって初めて理解に近づいた状態と言えます。しかし、同じ解答を書けたというだけでは理解に近づいただけです。条件反射的にすぐに書けるようにならないと医学部受験で通じるレベルにはなりません。なにせ医学部受験の問題数は対時間比でかなり厳しいのです。現役生はとくに受験まで時間が少ないので標準問題であればたいていのものは(欲を言えばすべて)ここまでのレベルに持っていきましょう。それを考えるととても発展問題に手を出している時間はありませんし、また、実際の医学部受験は標準問題をこのレベルまで持っていくことが出来れば合格点は取ることが出来ます。

医学部受験考 その2

今回は来年以降医学部受験をむかえる現高2生までを対象としたテーマ。医学部を目指すのであれば最低でも高3をむかえるまでに調べておいた方が良いことがあります。当たり前のことですが出来ていない生徒も多いので、もし、以下の内容を調べていないのであればすぐにでも調べましょう。

①志望校の配点・受験科目
志望する医学部の配点や科目がすぐに出てこないようなら調べましょう。配点や理科等で必要とされる分野(原子分野の必要の有無など)を調べずに勉強を進めているとどうしても力を入れるべきポイントが曖昧なまま受験勉強を進める事になります。苦手な科目の配点がどれくらいか、得意な科目でどれくらいカバーできるかなど事前に考えたうえで目的意識をもって勉強を進めましょう。数学が苦手な生徒は国語での受験が可能な医学部もありますし(必要なら調べましょう。ここでどこの大学とは記しません)、数ⅢCが範囲外の学校もあります。それくらいの情報も知らないようだと情報面ですでに不利です。当たり前の事なので志望校の配点や受験科目くらいは下調べしておきましょう。

②調査書の取り扱いについて
調査書を入試の点数にプラスする大学もあります。1点を争う医学部の入試では軽視できない部分です。調査書の点数に自信がないのであれば、こういった医学部は避けるのが賢明です。これも調べればすぐに分かる事ですから調べてみる事をお勧めします。

③過去問のチェック
受験直前に「入試本番のように過去問を解くから意味がある」と赤本にはじめて目を通す生徒がいますが賢いやり方とは言えません。なるほど、確かに入試同様にまったく過去問を目にせず、学力がついた状態で入試直前にどれくらい点がとれるか赤本で試す・・・それはそれで意味がなくはありません。しかし、赤本はわざわざ志望する医学部が学校の問題傾向を明らかにしてくれているものです。本格的な受験勉強を始める前に「なるほど。こういう形式の問題が出るのか」と知っておいた方が効率的にその後の勉強を進めることが出来るのは言うまでもありません。ただし、この赤本で学校ごとの頻出分野や範囲をしぼってはいけません。「赤本に出ないから、この問題は削っても大丈夫」というのは他学部では可能ですが、医学部ではやらないほうが賢明です。なぜなら、医学部は基本的に他学部受験に比べるとまんべんなく広い範囲を学習しているかを問う傾向にあるからです。しかし、出題形式に関しては学校ごとにかなり特色が出ます。東邦医学部の英語の整序問題であったり、聖マリアンナの理科であったり、獨協医科大の数学であったり、このあたりの傾向を知らずに漠然と偏差値を上げるための勉強をしていても効率的とは言えません。自分の志望する医学部の出題形式に特化して勉強を進めていった方がはるかに合格の可能性が高まります。どんなに偏差値の高い生徒でも出題形式が自分に向いていないと落ちる・・・それが医学部受験です。そして、こうした部分での対策を早め早めにしておくと逆転のチャンスが広がるのも医学部受験です。偏差値が足りな生徒が逆転を目指すのであれば、学校ごとの傾向に特化して指導を行うという点で、色々な志望校の対策を行わざるをえない予備校よりも、家庭教師の方に利点があると思います。