私立医学部受験のおはなし

私立医学部受験のホントのところ

医学部受験考 その2

今回は来年以降医学部受験をむかえる現高2生までを対象としたテーマ。医学部を目指すのであれば最低でも高3をむかえるまでに調べておいた方が良いことがあります。当たり前のことですが出来ていない生徒も多いので、もし、以下の内容を調べていないのであればすぐにでも調べましょう。

①志望校の配点・受験科目
志望する医学部の配点や科目がすぐに出てこないようなら調べましょう。配点や理科等で必要とされる分野(原子分野の必要の有無など)を調べずに勉強を進めているとどうしても力を入れるべきポイントが曖昧なまま受験勉強を進める事になります。苦手な科目の配点がどれくらいか、得意な科目でどれくらいカバーできるかなど事前に考えたうえで目的意識をもって勉強を進めましょう。数学が苦手な生徒は国語での受験が可能な医学部もありますし(必要なら調べましょう。ここでどこの大学とは記しません)、数ⅢCが範囲外の学校もあります。それくらいの情報も知らないようだと情報面ですでに不利です。当たり前の事なので志望校の配点や受験科目くらいは下調べしておきましょう。

②調査書の取り扱いについて
調査書を入試の点数にプラスする大学もあります。1点を争う医学部の入試では軽視できない部分です。調査書の点数に自信がないのであれば、こういった医学部は避けるのが賢明です。これも調べればすぐに分かる事ですから調べてみる事をお勧めします。

③過去問のチェック
受験直前に「入試本番のように過去問を解くから意味がある」と赤本にはじめて目を通す生徒がいますが賢いやり方とは言えません。なるほど、確かに入試同様にまったく過去問を目にせず、学力がついた状態で入試直前にどれくらい点がとれるか赤本で試す・・・それはそれで意味がなくはありません。しかし、赤本はわざわざ志望する医学部が学校の問題傾向を明らかにしてくれているものです。本格的な受験勉強を始める前に「なるほど。こういう形式の問題が出るのか」と知っておいた方が効率的にその後の勉強を進めることが出来るのは言うまでもありません。ただし、この赤本で学校ごとの頻出分野や範囲をしぼってはいけません。「赤本に出ないから、この問題は削っても大丈夫」というのは他学部では可能ですが、医学部ではやらないほうが賢明です。なぜなら、医学部は基本的に他学部受験に比べるとまんべんなく広い範囲を学習しているかを問う傾向にあるからです。しかし、出題形式に関しては学校ごとにかなり特色が出ます。東邦医学部の英語の整序問題であったり、聖マリアンナの理科であったり、獨協医科大の数学であったり、このあたりの傾向を知らずに漠然と偏差値を上げるための勉強をしていても効率的とは言えません。自分の志望する医学部の出題形式に特化して勉強を進めていった方がはるかに合格の可能性が高まります。どんなに偏差値の高い生徒でも出題形式が自分に向いていないと落ちる・・・それが医学部受験です。そして、こうした部分での対策を早め早めにしておくと逆転のチャンスが広がるのも医学部受験です。偏差値が足りな生徒が逆転を目指すのであれば、学校ごとの傾向に特化して指導を行うという点で、色々な志望校の対策を行わざるをえない予備校よりも、家庭教師の方に利点があると思います。